気管切開していても声は出せる?出せない? 我が家の場合
こんにちは。
次男の中間反抗期で、たまに落ち込むブラジルちえみです。
さて、今回は、気管切開をしても、声は出るのか、出ないのか?
我が家のケースを、赤ちゃんの時、幼児期、気管狭窄(きかんきょうさく)手術後、10歳の現在と、時間の経過とともに紹介したいと思います。
個人差はあると思いますが、同じ境遇の方の参考になれば幸いです。
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Contents
気管切開したら声は出ない?
毎日、兄弟げんかで飛び跳ねている長男も、気管狭窄症で4歳まで気管切開をしていました。
よく、
気管切開をすると声が出ない。
と言われます。
それは切開する位置が「声帯」よりも下なので、声帯を震わせることが出来ないからです。
では、実際にはどうでしょう?
赤ちゃんの間
うちの長男は気管が狭い病気で、呼吸ができず、生まれてすぐに気管切開しました。
なので、
赤ちゃんの時は、声が出ませんでした。
赤ちゃんが気管切開している場合「声が出ないと、何かあったときにどうしよう?」と心配するかもしれませんが、
ハッキリとした「声」には、ならないのですが、泣いたときはすぐ分かります。
たとえているなら、寒いときに「ハー」とするような、声ではなく「音」が出ます。
ハッキリとした「声」になっていないということです。
また、声が出ないと
「寝ている間に気が付かず、吸引できなかったらどうしよう?」
と心配になると思います。
我が家の場合も、NICU(新生児集中治療室)から出てくるときに、それが心配でした。
病院の看護婦さんは、「一緒に寝ているので、夜でも泣いていたら気が付きます」と、言ってくれたのですが、心配だったので病院から勧めてもらい、
酸素量が低下したらアラームが鳴る機械?を2か月ほどリースしていました。
しかし、看護婦さんの言った通り、赤ちゃんが泣くときは気が付きましたよ。
よっぽど眠りが深い人でない限り、大丈夫だと思います。
赤ちゃんの時は、普通の子供でも四六時中近くにいると思うので、声が出ないということで不自由なことは特にありませんでした。
むしろ気管切開もしていて、大きな声で泣かれたら、その方が疲れてしまうくらいです。
そして、成長して大きくなるにつれて・・・
その後
成長するにつれ、出る音も大きくはっきりとしてきます。
私の声が大きすぎて、わかりずらいですが。。。
その後、出ないといわれていた声も、大きくなるにつれ出るようになってきました。
当時、お医者さんも、どうしてか分からない。とのことでした。
いろいろ調べてみると・・・
挿入しているカニューレ(チューブ)は気管よりも狭いので、少しの隙間から空気が声帯の方へ通っているのでは?
息を吐いて、音を出しているというよりかは、明石家さんまの引き笑いのように、息を吸いながら出しているようでした。
おそらく成長するにつれて、何かの拍子に音が出ることが分かると、
「こうすれば音が出るんだな。」と子供なりにいろいろ試し、上手に声が出せるポイントを見つけられるんじゃないかな?と思います。
2歳過ぎには、言葉もハッキリ聞き取れるまでに。
まだ保育園も通っていないので、同じ部屋にいれば十分聞こえるくらいの音量で、困るような事はありませんでした。
気管狭窄の手術後に・・・
3歳になる手前に手術。
そして
・
・
・
気管狭窄の手術をした後に、全く声が出なくなってしまったのです。
しかも、気管切開を閉じるんじゃないんだ。。。
術後、声が出なくなったのは、違う種類のカニューレを「声帯部分にかかるように」入れなければならなかったからです。
声帯を押さえつけてるし。。。
手術は、気管の細くなっているところを切り取り、上下をくっつけるものだったのですが、
人間の体は元の形に戻ろうとするので、チューブを入れて太さを固定しないといけないそうです。
そうしないと、また細くなってしまうからです。
急に声が出なくなった長男は、ショックすぎて大泣き。
それを見ていた私も、辛すぎて泣きました。。。
昨日まで声が出ていたのに、聞いてないよー!
同じ病室の10歳も年下のママに慰めてもらいました。
生まれてから何年も病院で暮らしている、その子のママ方が、よっぽど大変なのに・・・。
翌週になると、
子供も少しは気分が落ち着いたのか、以前よりは小さな声ですが、少しずつしゃべろうとしてくれました。
しかし、言いたいことが伝わらないと、かんしゃくを起こし、病院食も食べなくなってしまいました。
たまたま、雑誌に出ていたフライドポテトが食べたいと言ったので、病院を抜け出して買いに行ったなぁ。元気にならないと退院できないよー。
ブラジルちえみ
術後は、2週間ほどで退院しました。
その後・・・
声帯を押さえつけているものの、少しは声が出るようにはなりましたが、手術前ほどは出ませんでした。
その固定用のカニューレも1年くらい付けていたでしょうか。
内視鏡検査からもどって来たら「もうチューブしなくていいよ!」と首からチューブがなくなっていました。
カニューレをとるときは、抜くだけで手術しないんでいいんだ。
意外にあっけない。
カニューレを抜いても、声は変わらないけど、
やっと、吸引生活から解放された!!
声は回復する!
あまりにも声が出なければ、手術をすることもできるようですが、「身体が大きくなれば、もっと出るようになる」とのことでした。
手術は少なからずリスクがあるので、そのままに。
5歳の時
違う部屋から、呼びたいときは、唇を「パッ」離したり、唇を震わせて「パッ、ブー」と口で、大きな音を立てていました。
これであれば、声帯を震わせなくても結構大きな音を出すことが出来ます。
子供なりに、生活の知恵がついてくるようです。
7歳の時
チューブを付けていたころと同じように発声する癖が、なかなか抜けませんでした。
このころのリハビリの先生には、「発声の仕方を変えないと大きな声が出せるようにならない。」と言われました。
でも、本人はどう変えるのかわからなかったようです。
話しかけているのに聞こえないと、口数が少なくなりがちです。
少し注意してあげるとイイかもしれません。
「どうせ、聞こえないから。」と、なってしまいます。
特に兄弟がいる場合は、要注意です。
我が家の場合も、次男ばかり喋ってしまいます。。。
10歳現在
2年おきに、日本に一時帰国するたびに、家族や友達に「大きな声が出るようになったね」と言われましたが、本人も私も毎日のことなので、まったく気がついいていませんでした。
身体が大きくなるにつれて、発声の仕方も自然に治りました。
家でも1階から、2階に呼ぶ声も聞こえます。
ただし、車がぶんぶん通っている道路なんかだと、そばにいかないと聞きとりにくいです。
よく、ひな壇のお笑い芸人さんが「大きな声を出す癖がついて、普段の生活でも、ついつい大きな声が出ちゃう。」と言っているので、勉強で本を読む時でも、なるべく大きな声を出すようにしています。
まとめ
気管切開をすると、声が出なくなるといわれます。
他の口コミを見ても、
「声帯を震わせる、発声の仕組みを考えれば、声は出ません!」
と書いている看護婦の方もいらっしゃいましたが、実際に気管切開の患者さんに会ったことがないのでは?と思います。
それとは反対に、
「声は小さいが、患者さんと普通に会話している。」
「発声の練習をすれば出るようになります!」
と書いている方も。
我が家の場合、声帯より下にカニューレを入れていた時も、声帯をふさいでいた時も
家族で会話するのに支障がないくらいの声は出せていました。
実際には、大きな声は出ない!といったところでしょうか。
発声の仕方を工夫すると、上手に出せるようになると思うので、あきらめずに練習してみてくださいね!
いまでは声が出せる「スピーチカニューレ」なるものがあるそうです。
症状によっては、使えない場合もあるので、担当医に確認してみてください。